「同じM県に住んでいる人でも、多くは気づかないでいるかもしれません。I 湾が太平洋へ出ようとする、S郡の南端に、ほかの島々から飛び離れて、ちょうど緑色の饅頭をふせたような、直径二里たらずの小島が浮かんでいるのです。」
これは、江戸川乱歩の小説『パノラマ島奇談』の書き出しです。
M県は三重県、I湾は伊勢湾、S郡はかつての志摩郡にあてはまり、主人公が描くユートピア(=パノラマ島)のモデルも、実在するミキモト真珠島なのでは?と言われています。(※諸説あり)

世界で初めて養殖真珠が生まれたミキモト真珠島は、
真珠の博物館や海女の実演が楽しめる真珠のテーマパーク。
まさに、御木本幸吉の描いたユートピアです。