乱歩が、鳥羽造船所で働くかたわら同僚たちと「鳥羽おとぎ会」を結成し、鳥羽周辺の小学校を回り演壇で話していた頃…坂手小学校の教員室で運命の人と出会います。
それは当時、小学校の教員をしていた女性で乱歩がのちに妻として迎える、お隆(村山隆)でした。
「ととのった理知的な顔をしていたし、笑顔もよかった。進歩的な考えも持っているようにも見えた。」
乱歩は、初対面の印象をエッセイで綴っています。
この運命の出会いをきっかけに、ふたりは文通を繰り返し、その後、大正8年に結婚しました。