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釣りの学校の
メンバーが、
鳥羽での釣りを体験

釣りの学校

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釣りの力で地域活性化に貢献すること、いままで届かなかった人たちに釣りの楽しさを伝えること、自然の豊かさを守りながら人の幸せをつくることを活動の指針にしている「釣りの学校」のみなさんが、2021年11月、三重県鳥羽市に宿泊。答志島と神島での島釣り、浦村での筏釣り、漁船を体験しました。

釣りの力で地方を元気に

ともみ:「釣りの学校」という団体を立ち上げたのは、2019年の4月です。僕の地元である三重県紀北町は、小学校が廃校になり、祭りなどの催事もどんどん減り、同級生のほとんどが別の場所に移っているなど、目に見えて過疎化が進んでいます。(このままではいつか町がなくなってしまう、何とかしたい)と思うようになって、自分の趣味でもある釣りに着目したのが活動のきっかけです。

イチロー:釣りは田舎でもできる気軽なエンターテイメントのひとつです。にも関わらず、実際に釣りに来ているのが中高年の男性ばかりなのは、発信の仕方が偏っているからだと思うんです。いつどこでどのようにすればどんな魚が釣れるのか。知識を得ることや技術を磨くこと、釣果を出すことばかりが注目されてしまいがちですが、いろいろな楽しみ方を伝えれば釣りに来る人の層も広げられるはずだし、地域を盛り上げることにもつながりますよね。そんな思いから「極める釣りから、楽しむ釣りへ」というコンセプトが生まれました。

釣りの学校メンバー(左から)用務員:こうさく 広報委員:なお 校長:ともみ 料理長:こーすけ 風紀委員:みき 副校長:イチロー

釣りを通して「あの人に会いたい」を作りたい

ともみ:とはいっても突然、過疎の地域でプロジェクトを走らせるのは難しいですよね。僕は高校生までは田舎暮らし、大学からいまに至るまでは都会暮らしなので、まずは都会でコミュニティを作って、田舎に遊びに行くのがいいかなと考えました。それで2019年は、釣りたて鮮魚と日本酒まつり、海釣り大会、釣合宿、大人の夏休み、レンタルボート釣り大会、釣人懇親会、釣り飯教室、マス釣りBBQ、わかさぎ釣り‥などなど精力的にイベントを開催しました。釣りをしない人は飲んだり食べたりを目的に参加しても全然OKなんです。実際に釣りでしか食べられない魚をそこで食べれば、自然と釣りに触れるきっかけになるし、釣りに興味を持つことにつながるかもしれない。結果的に飲む食べる専門であってもいいし、それぞれの楽しみ方をしてもらえたらいいなと思って。

ともみ:個人的には、会社の同期を実家に連れて行くこともしていました。実家は100mで海という立地なので、近所に住む漁師の友達が船を出してくれて、釣りに連れて行ってくれるんです。友達と言っても小さい頃からお世話になっているおっちゃんなので、僕からはお金を受け取ってくれない。「お前は一生ただや」と言われてしまう。さてどうしようと思いつつ、自宅に招待したんですよね。みんなで釣った魚を母親が捌いて出してくれて、一緒に飲んで、食べて、話したら、とても楽しい。そのうち同期たちは、僕がいなくてもお金を払って漁師さんの船に乗せてもらうようになり、うちの実家に顔を出すようになり…といい輪ができていって、こんなことがあちこちで起きたらいいなと考えるようになりました。

イチロー:田舎の人って、外からの人に少し壁があります。ゴミを捨てて行ったり、釣り禁止のところで釣りをしたり、そういうのはごく一部の人だけなんですけど目立ってしまうし、全体の印象が悪くなってしまいます。もっと言えば「来てくれるな!」と思ってしまうことすらもある。でもそれも知り合いになれば、いい方向に進むんです。釣りの学校がその間をつなぐことができたら、関係や交流が自然に生まれて育っていく。「あの人に会いたい」をあちこちで作ることが、地方でイベントをする意味かなと思っています。

YouTubeで"楽しむ釣り"を配信中!
初心者でも楽しい答志島/神島篇

なお:2020年からはコロナ禍で大勢が集まるイベントが難しくなってしまったので、「釣りの学校TV」というコンテンツで、YouTubeを発信しています。その撮影も兼ねて、今回は答志島と神島にお邪魔しました。三重県はどこもそうかもしれないですが、答志島も神島もとても景色がきれい。観光地でもあるからか、島民のみなさんの歓迎ムードを感じて、あたたかい雰囲気でした。答志島は釣り人がそんなに多くないので、魚の警戒心が薄いというか、大きい魚でもすっと餌にかかったのが印象に残っています。

みき:わたしは運営メンバーの中では、みんなほど釣りに熱心ではないので(笑)、初心者の気持ちがわかるんですけど、旅行のついでにちょっとやってみるとか、いいと思います。答志島は宿にレンタルの竿があって、餌の付け方や釣れるポイントも聞いたら教えてくれるし、釣れたら魚は料理してもらうこともできます。

なお:神島は絶妙な位置にあるので、堤防から釣れる魚としてはとても魅力的です。大きい魚、いろんな魚が釣れます。秋はベストシーズンなので、前泊して朝から場所を取る方が多いみたいです。70cmくらいの立派なヒラメを釣っていた方もいました。

極上のプライベート空間、筏釣り篇

こーすけ:浦村町で筏釣りも体験しました。普段は大阪湾でルアーをやっているので、養殖筏に乗ったり、餌釣りをしたりということがあまりないんです。やり方も違うし、魚種も違う。鯛とか黒鯛とかが、わりと簡単に釣れると聞いていて楽しみにしていました。結果的にこの日はあまり釣れなかったんですけれど、天気も最高だし、景色はきれいだし、筏に乗ってのんびり過ごすだけでもほんとうに気持ちがいい。僕は釣った魚を処理するのが好きで、内臓の状態を確認して興奮したりしています(笑)。美味しい食べ方を言及して、みんなでで食べるのがいちばんの楽しみです。

みき:筏はぷっかり海を漂いながら、ほんとうにのんびりできますよね。カップルでもグループでも家族でも楽しいし、初心者にこそ試してみてほしいかも。鳥羽は釣りデビューにもいい場所だと思います。

漁師と話そう、漁船フィッシング篇

イチロー 浦村町の「Anchor.漁師の貸切アジト」に泊まって、漁船フィッシングツアーに参加しました。地元の漁師さんが釣れるポイントに釣れて行ってくれるという2時間のアクティビティです。一般的にはこういうのって、船長は船頭室みたいなところに入って、魚群探知機とかを見ながら船を操縦するのであまり話す機会はないのですが、このプログラムの船は小さめで、定員は4〜5人くらい。運転席も隔離されていないので、鳥羽の話とか養殖の話とか、釣り以外のことも漁師さんといろいろ話せたのが楽しかったです。漁師さんと触れ合う機会ってそんなにないので、いい体験でした。

地元の人と一緒にやっていく

ともみ:鳥羽は人を呼ぶことに熱心な感じがしました。僕は地元の紀北町が活気づくようなことをしたいと思っているのですが、それには地元側の協力が必須です。釣りの学校でやりたいことは、釣りの魅力を伝えて、釣りを通じて地域活性化に貢献することなので、市町村とか行政とも手を組んで、地域の方と一緒に活動していくようなことがやりたい。成功事例を示せれば、釣りを通じた地域活性は全国に波及する可能性があると思っています。

釣りを楽しんだあとは、釣った魚でお料理。釣り体験をさせてもらった船長さんからも鯛とハマチをいただき、料理がさらに豪華になりました!
2022/01/24

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