Sustainable
Tourism

海がある暮らしの
流れに乗って。

鳥羽市相差町在住中辰商店/海女/アクセサリー作家

中田文美 / Ayami Nakata

profile
鳥羽市相差生まれ。100年続く中辰商店を手伝いながら、2017年から海女を始める。 taccheというブランド名で貝を使ったアクセサリーを制作・販売。5人の子どもの母。

相差という土地柄から、自然な流れで海女へ

鳥羽市相差町で生まれて、松阪市の高校と短大を卒業して、津市の金融機関で8年働きました。そのあと1年間大阪で中国式のマッサージの学校に通って、相差町に戻ってきたのが28歳のときです。それから数年は、母の実家が営む旅館「重兵衛」を手伝い、小中学校時代の同級生である夫と30歳で結婚しました。わたし自身がひとりっこで寂しかったり、変なプレッシャーがあったりしたので、兄弟姉妹は多いほうがいいなと思っていて、9年間で男女女女男と立て続けに5人の子どもを産みました。

海女を始めたのは、2017年です。これを言うと驚かれるのですが、実は全然泳げないんです。だから海女 をやろうと考えたことはなかったものの、もともと海は大好きだったし、祖母も海女で、義理の母親も海 女で、土地柄まわりに海女はたくさんいるので、いつの間にかウェットスーツから何から道具が揃ってい きました。そんなときに、やっぱり泳げなかったのにいまはベテランになっている人や、40歳で海女を始 めた人の話を聞いて、(それならわたしもやってみようかな)と軽い感じで海に行き始めました。

海の資源を使って作るオリジナルアクセサリー

アクセサリーを作り始めたのは、子どもが生まれる前からです。せっかく海に囲まれた場所にいるので、地元の自然なものを使って何かできたらいいなと思って、アワビやサザエやアコヤ貝とか、波に洗われて丸くなったガラス片のシーグラス、規格外の真珠などを使って、カットしたり磨いたりしています。もと もと細かい作業は好きなんですけど、光り方とかに自分なりのこだわりがあって、結構熱が入ります。大きな貝には特別な輝きがあるし、小さな貝はそれはそれでとても可愛い。taccheというブランド名で中辰商店の店頭やインスタ(https://www.instagram.com/tacche_accessory/)でも販売してるんですけど、何 人かリピーターもいて、「新作を楽しみにしています」とか言われるとうれしいです。最近は海洋プラス チックゴミを使うこともあります。

中辰商店商店の一角で販売されているアクセサリーには、新作を楽しみにしているファンも

地域の生活を100年支える老舗商店

漁がないときは、中辰商店にいます。実は6代、7代ともう100年も続いている老舗なんですよ。昔は反物や調味料の量り売りとかもしていて、その頃からずっと地元の人の生活の一部を担ってきました。お店と生活が混じっているので、子どものものが置いてあったりしてごちゃごちゃしてるんですけど(笑)、そこがマニュアル通りのチェーン店とは全然違う面白い味になっていると観光客の方には楽しんでいただいたりもしています。いまはお店の看板ワンコはゴロです。潜り方を教えてくれる師匠は、猪などを駆除する猟師もやっているので猟犬を飼っていて、そこで産まれた仔犬の1匹を譲ってもらいました。天真爛漫でとても可愛い仔なので、鳥羽にいらしたときはぜひ遊びに来てください。

2022/02/13

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