美しい海と新鮮な魚介の美味で、
訪れる人々を迎える鳥羽。
でも、魚介だけが
鳥羽の海の魅力ではありません。
鳥羽の海の底には、おいしい魚介を育み、
海を綺麗にしてくれる色とりどりの海藻が
揺らめいています。
実は地上で暮らす私たちが知っている
海藻の世界は、ほんの一端。
深くて美しい海藻の森を
一緒に旅してみませんか。
浅い岩礁が続く鳥羽湾は、
豊かな魚介と海藻の宝庫。
ワカメやアオサといった一般的に
知られている
メジャーな海藻は、
実はほんの一握りで、鳥羽の海域では
多種多様な海藻が育まれています。
海藻が豊かに育つということは、
海が美しいという証拠。
そんな鳥羽の恵みをもっと、
楽しく面白く知ってもらうため
“コレクション風”にご紹介します。
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全体がオリーブ色で、根本ですぼまる葉面がまるで団扇のように見えることが名前の由来。大きさは約30cmにも成長し、皮質のように厚く粗い手触り。非食用で朝鮮半島沿岸にも分布が見られ、一年中生息する多年生藻。
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胞子によって繁殖する「海藻」とは異なる、花を咲かせて種子によって繁殖する「海草」の一種。緑色の細い帯状で、3本の平行脈がある。やや波の荒い岩上に生え、春には葉の付け根近くにエビのような形の花を咲かせることが名前の由来に。非食用。
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形や色が松に似ていることから、縁起のいい海藻として知られています。「海松文(みるもん)」と呼ばれる文様も生まれ、深緑色で目立たない色合いから、文様入りの着物が武士に好んで着用されていました。昔からお供え物として活用され、一部地域では茹でて酢味噌に和えて食べる風習もあります。
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体長は数cmと小さめ。繰り返し枝分かれし、最終的に半球状の塊になります。濃い紅色や黄色と色合いは変化に富み、軟骨質で固い手触り。食用の習慣はなく、見た目がニワトリのトサカに似ていることから、和名がつけられました。近縁種にヒトツマツがあり、やや小ぶりなのがトサカマツです。
僕が暮らす神島でとれる海藻は、外洋の荒い波にもまれてゴリゴリした食感で、結構やみつきです。鳥羽の4つの離島それぞれで、食感も甘みも種類によって変わってくるのが面白いんですよ。おすすめは、答志島の生ワカメ。
昔からの漁師町である鳥羽って、開放的で人がとっても温かいんです。観光の際は、どんどん地元の人に話しかけてみてください。
鳥羽マリンターミナルから市営定期船で40分ほどにある離島、三島由紀夫著の「潮騒」の舞台として知られる神島出身。Uターン組で現在は神島の民宿「山海荘」店主、神島直送鮮魚店「山久本店」オーナー、鳥羽市広告宣伝戦略委員会委員長などを務め、鳥羽のPRに尽力している。
3000年以上も受け継がれ、
鳥羽の海と伝統を守っている
海女の素潜り漁法。
必要最小限の道具だけを持ち、自らの知識、
体力のすべてが試される海女漁には、
人が生きることの原点が凝縮されています。
人の身体と創造力、
そして筆のみで描いたボディペイントで、
鳥羽の海と、海女たちとの共生を
美しく伝えます。
メイキング風景
衣装合わせ
まずは磯着と呼ばれる海女の衣装合わせからスタート。ミキモト真珠島の海女の実演で使用されているデザインを参考に、ペイント用に作りました。
ペインティング
背景のパネルに合わせてボディペインティングがスタート。約5時間、モデルさんはポージングを固定したまま、という大変な作業です。
撮影
まるで絵画に人が溶け込んだような出来栄え!さらに完成度を高めるために、カメラマンからの細やかな指示が飛びます。「肩はそのまま!首だけ右でお願いします!」
今回はペインティングでの出演という企画が面白そうだったのと、私自身、海女としてなにか協力できることがあればと参加しました。ペインティング中はずっと同じ体勢がツラかったけど、深井さんやアーティストチームに助けられながら、撮影も無事に終了してホッとしています。私が暮らす鳥羽市相差町は本当に人があたたかいところ。私が経営しているカフェ“千-sen-”でも新鮮な魚介のお刺身はもちろん、栄養満点の海藻サラダや酢の物などが楽しめますよ。ぜひ、鳥羽に遊びにきた際は寄ってみてください。
鳥羽市相差町に民宿を営む旦那さんのもとへお嫁にやってきた新米海女さん。お義母さんと一緒に運営するカフェ「千-sen-」では、鳥羽の魚介や海藻たっぷりのランチが評判に。子育て、民宿の若女将、カフェ経営、海女修行と多忙な毎日ですが、鳥羽の海女文化継承のために奮闘中。
普段はボディに直接描くことが多いので、今回は服の上から描くというのが最大のチャレンジでした。服のシワが強敵で…。モデルさんと背景のズレがなくなるよう、イラストの配置など計算して描いています。筆の柔らかいタッチにも、ぜひ注目してください。モデルの上村さんは、鳥羽で初めてお会いした時から『仕事が楽しくなりそう』と予感できる、優しくて親しみが感じられる方でした。長時間、一緒に頑張っていただいて感謝しています。鳥羽は、真珠や海女の歴史が神秘的で、インスピレーションや創造力が掻き立てられるところ。おかげで、鳥羽のことをもっと知りたくなりました。一度訪れただけでは、全然足りませんね(笑)。今回の作品は、CGで作ってしまえば簡単にできるものだと思います。でも、あえて時間をかけてチームで作り上げたという点を、ぜひお楽しみください。
ボディアート事業を中心に活躍する株式会社デコデコの代表取締役を務めるフェイス&ボディペインティングのプロアーティスト。企業キャンペーンや各種イベント、TVコマーシャルの企画・制作など多方面で活躍中。現在はアーティスト育成にも力を入れている。