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女性の目線で、
観光客をおもてなし

三重県鳥羽市相差町相差女将☆ちどり会(通称 女将会)

profile
2011年、三重県鳥羽市相差地区の宿泊施設の女将さん22人により発足。女性目線で相差を盛り上げるために活動している。

満月の翌朝、石神さんでヨガを開催

2010年、女性の目線で観光客をおもてなしするために、鳥羽市相差地区の宿泊施設の女将さん22人により発足した「相差女将☆ちどり会(通称 女将会)」。2021年9月からは、満月の夜に石神さんを夜参りする「神あかり」をして、翌朝にヨガをするというプログラムを始め、注目を集めています。

相差と言えば=石神さんで、女性からの人気が高い

「石神さん」のご祭神は神武天皇の母である「玉依姫命(たまよりひめのみこと)」で、女性の神様であることから、女性の願いをひとつだけ叶えてくれると言われています。石神さんのお守りを持っていたマラソンランナーの野口みずきさんがオリンピックで金メダルを取ったことで一躍有名になって、いまでは全国から人が訪れてくるようになりました。女将会では、ここ石神さんのご案内を当番制で担 当しています。2021 年からは満月の翌朝に、石神さんでヨガをするプログラムも始めました。空、太陽、海、風、大地、緑..に神社のパワーもプラスされて、すっきり気持ちいい時間を過ごしていただけます。

満月の翌朝に、石神さんでヨガをするプログラム。清々しい空気が心地よい

女性の視点を活かして、相差を盛り上げるために

相差女将☆ちどり会」は、2010年にできました。相差は旅館や民宿がたくさんある観光地ですが、伝統的な漁村地域らしく、どんなことでもほぼ男性主導で決められてきていたので、女性の視点や意見も活かして、地域をもっと盛り上げられたらいいなと考えたことが発足の理由です。初めは「リゾートヒルズ豊浜蒼空の風」の女将をしている野村操子さんのお声がけからで、どんどんと人が集まって 22 人でスタートしました。また、メンバーの7割は結婚を機に相差に住み始めた女将なので、リアルな情報を共有したり、本音で悩みを話し合えたりする場を作りたいということもありました。以前は家族で経営している民宿組合と、従業員を雇っている旅館組合とが分かれていろいろな話し合いをしていたのですが、その壁を取っ払って一緒にやろうとなったのもこのときからです。

「相差女将☆ちどり会」の名前に込められた思い

「相差女将☆ちどり会」という名前は、古くから親しまれてきた名勝地である千鳥ヶ浜の海水浴場にちなんで付けました。真ん中の星マークは、2008年に「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で一つ星をもらった記念です。また日本一海女が多い街である相差では、星マークを「セーマン」と呼んでいて、一筆書きができるこのかたちには、漁から無事に戻れるようにという祈りが込められています。わたしたちも相差から発信し、相差に還元したいということや、女性も自分の考えや意見を口に出して、ひとり一人が輝く星でありたいという 気持ちから、この名前に決めました。

相差のオリジナルボディソープを開発

「重兵衛」の女将、世古由美子さんが中心になって、オリジナルのボディソープも開発しましたね。相差ではテングサ・マクサが採れるので、海からの天然の保湿成分を入れて、みんなで香りや価格を検討して商品化となりました。相差のPRにもなるし、女将会を知ってもらうきかっけにもなりますが、何よりも肌がしっとりなめらかになるので、ぜひ一度使ってみてください。通販でも買えるのでリピーターも多くて好評です。

食べものが美味しく、景色も美しい相差

相差はいいところです。まずは食べ物が美味しい。日本でいちばん海女さんが多い場所で、年間を通して新鮮な魚介類が食べられます。海に囲まれた景観も素晴らしくて、パールロードという道を降りてくるとパアーッと視界が開けて海が目に入る瞬間があるのですが、とても開放的な眺めでストレスがなくなる感じです。くじら滝の半島からは、時期によっては海女さんが潜っている姿を目にすることもできます。海だけではなくて山もありますし、豊かな自然は飽きることのない財産です。

地域全体で協力することが大切な時代

宿泊施設の多い相差ですが、それでも年々減っています。海の環境も変わってきて、漁師や海女も減っています。さらにコロナ禍という厳しい状況になったからには、ますます横のつながりを強化して、地域で助け合うことが大事になっていると痛感しています。自分の宿 だけ繁盛すればいいということはあり得ません。女将同士はライバルではありません。どんな情報でも共有して一緒に前を向いていくことが、地域には何よりも必要な時代ではないでしょうか。「相差女将☆ちどり会」も、できてから10年以上がたって、だいぶ知ってもら えることが増えました。そもそも相差の人は元気なんですよね。旅館や民宿の経営、漁師や海女、自給自足での家庭菜園、さらにあれもこれもと三役も四役もこなしている人が多い。石神さん参りはもちろん、美味しい食べ物、きれいな景色、それから元気な人たちに会いに、相差に足を運んでもらいたいです。

2022/01/21

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