Sustainable
Tourism

筏釣りを、
みんなのものに。

鳥羽市浦村町在住筏釣り「海香」若船頭

籔内悠貴 / Yuki Yabuuchi

profile
1970年、滋賀県草津生まれ。繊維・化成品の専門商社、人材コンサル会社を経て、 2018年三重県鳥羽市に移住。杉原水産の取締役に就任し、渡船業「海香」を営む。

鳥羽に移住、渡船業「海香」の若船頭へ

将来的には自分で起業したいという思いを持ちながら社会人になりました。ビジネスを1から10まで経験したかったので、仕入、開発、製造、販売など一通りの流れに携われる大阪の専門商社入社したのが最初のキャリアです。3年半勤めたあと、次は自身の営業力を鍛えたいと考えて東京で人材コンサルタントの仕事に就きました。医療関係という新分野への挑戦で、前職のBtoBからBtoCという業態の変化もあり、初めは苦労しました。その中で多角的に学びを重ね、設定していた目標を達成することができたので退職を決めました。その後2018年に鳥羽に移住し、妻の実家である杉原水産を継いでいく立場として渡船業「海香」で働き始めて、いまに至ります。

客層を広げるために、YouTubeを開設

杉原水産は創立58年です。旅館や養殖などの事業も経て、現在は、筏釣り・カセ釣りのための渡船業を行なっています。釣りはオールシーズン楽しめますが、秋がメインですね。週末には多いときでは70~80人くらいの方がいらっしゃいます。基本的にはチヌを狙う方が多いんですけど、僕はそれをちょっと変えていきたいんですよね。チヌ以外にもいろいろな魚が釣れるので、五目釣りを楽しめるようにしたい。間口を広げていくことで、子どもや女性、カップル、ファミリーなど幅広い方が来やすくなるかなと思って、2021年9月から初心者向けのYouTubeを開設しました。

週1ペースであげている筏釣り海香のYouTube(https://www.youtube.com/channel/UC_T6LDmSr_zZrHXNYL81bAQ)は、完全なエンタメテイストです(笑)。渡船業はちょっと怖いイメージがあるというお客さまの声をもらったの で、そこも「若船頭」という自分みたいなキャラクターが出ていくことで変えたかったし、筏釣りをまったく知らない方が見ても、わかりやすく伝わるように工夫しています。ちなみに地域にもYouTubeを見て くれている方がいて、知らない方から「若船頭見てるよ!」と声をかけられることも増えてきていて、う れしいです。ご興味ある方はぜひチャンネル登録してみてください!

ほんとに楽しい筏釣り、まずは1回体験してみて

筏釣りって、ほんとうに面白いんですよ。まず朝に筏までお送りして、お昼に安否確認を含めて状況をお伺いし、ご希望の時間にお迎えにあがります。海の上に浮かぶのは非日常だし、のんびり過ごせて、とてもリラックスできます。釣れるポイントに行くので、ほとんどの場合は何か釣れるのも魅力です。ただやったことがない方には、その面白さはイメージにしにくいので、とにかく1回やってほしい。そうしたら また来たい!ってなると思うんです。そうやって人が集まってくると地域も活気づきますよね。鳥羽は牡蠣養殖も盛んですし、筏釣りの聖地みたいなところがあるので、東海、近畿の方はもちろん、全国から来る旅行客のみなさんにも体験してほしいです。

通常の仕事はもちろん、日々の発信にも積極的な若船頭

筏釣りから、いろんな楽しみを広げたい

もともと釣りを趣味にしていたわけではないので、初めての挑戦する方の気持ちがわかるのは強みかもしれません。初めて筏釣りをする方って、特に狙い魚種がない方がほとんどです。釣れる喜びはどの魚種でも同じですし、好みはありますがどの魚も新鮮で美味しいです。狙っている魚種があるお客さまに「今日どうですか?」と聞くと、「全然釣れないね、ほかの魚はいっぱい釣れてるけどね」と言われるケースでも、初めて筏釣りをする方であれば、「いろんな魚がたくさん釣れてます(大興奮)!!!」ということもしばしば。お客さまそれぞれに目的も価値観も違うので、みなさんに満足していただければなと。

YouTubeを開設したのもそうですが、いままでのやり方を継続していくだけでは発展が難しいように感じています。だから僕は釣りにプラスアルファをつけたいんです。海に来て、筏に乗って、釣りをして、そこで捌いて食べるまでのセットプランとかもやりたいんですよね。魚が有名な地域なので、地元の板前さんを呼んで料理してもらうなど地域を巻き込んだ企画も検討中です。あとは手ぶらプランも考えています。道具一式を販売してレクチャーもしたら、例えば外国人の観光客でも、「1日目は伊勢神宮行って、2日目 は鳥羽で筏釣りやろう」みたいにふらっとできるレジャーになるかなと。妻が料理好きなので、地元の食 材を使ったお弁当付きプランもやってみる予定です。釣りの途中にお弁当が届いたらうれしいですよね? 筏の上で、ビールを飲んでもらってもいいし、BBQも楽しいだろうなと思うんですけど、海にゴミが落ち るのは困るので、その辺は考えどころです。あくまでもチヌ釣りの人を大事にしながら新しい客層が増え たらいいなということなので、試行錯誤しながら自分の範疇でできることは、どんどんやってみたいで す。

地域全体を巻き込みながらみんなで発展を

旦那さんと息子さんは釣りしたいけど、奥さんと娘さんはしたくないとか、ファミリーで一緒に乗るパ ターン、乗らないパターンなど細かいニーズへの対応も整えていきたいです。そういうときも地域での連携ができていたら、アイデアや解決策は広がると思っています。そのためにも若い世代が協力して、鳥羽を盛り上げていきたい。僕はまだ移住して3年ですし、この1・2年はコロナ禍でなかなか飲み会などもしにくかったですが、これからはどんどん友人知人の輪を広げて、ネットワークづくりにも力を入れていきたいです。

2022/02/10

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